リニューアルされた「NHK ONE ニュース・防災」アプリの通知機能を徹底解説
災害発生時、正確な情報が迅速に届かなければ適切な避難行動は取れません。NHKが提供する「NHK ONE ニュース・防災」アプリは、地震・津波・気象警報などの防災情報を24時間365日プッシュ通知で配信します。本記事では、通知機能の仕組みから設定方法、災害種別ごとの受信内容まで、実用的な情報を網羅的に解説します。この記事を読むことで、あなたに必要な通知だけを確実に受け取る設定を完璧に整えられます
「NHK ONE ニュース・防災」とは?
「NHK ONE ニュース・防災」は、NHKが提供する完全無料の公式アプリです。2025年10月1日に従来の「NHKニュース・防災アプリ」から全面リニューアルされ、ニュース機能と防災機能が統合されました。広告表示は一切なく、ダウンロード数は700万を超えています。
主要機能は以下の3つです。
- ニュース配信機能:速報からテレビニュースの同時配信まで対応
- 防災情報機能:地震・津波・気象警報などの即時配信
- 通知機能:24時間365日リアルタイムでプッシュ通知を配信
iOS版はApp Storeから、Android版はGoogle Playからダウンロード可能です。アカウント登録なしでも基本機能は利用できますが、登録することでパーソナライズされた情報配信が受けられます。なお、日本国外からの利用はできません。
以前のアプリからの移行について
従来の「NHKニュース・防災アプリ」は2025年9月30日をもって利用終了となりました。移行期間は設けられず、10月1日から新アプリへの一斉切り替えとなっています。基本的な防災通知機能は継承されていますが、ニュース機能の強化やユーザーインターフェースの刷新が実施されました。
NHK ONEの通知機能|何が届く?いつ届く?
通知される情報の種類
NHK ONEアプリでは、生命や財産を守るために必要な防災情報が体系的に配信されます。通知対象となる主な情報は以下の通りです。
地震関連情報
- 緊急地震速報
- 震度速報(震度3以上から設定可能)
- 地震の震源地・マグニチュード・各地の震度情報
気象関連情報
- 気象警報(大雨・洪水・暴風など)
- 気象注意報
- 台風速報
- 特別警報
災害リスク情報
- 河川氾濫危険情報
- 土砂災害危険度情報
- 避難情報(市区町村発表)
その他の緊急情報
- 津波警報・注意報
- ニュース速報(重大事件・事故)
通知タイミングの仕組み
通知配信には「設定地域」と「現在地」の2つの基準があります。ユーザーが事前に登録した地域(自宅・職場など)に関する情報は常に通知されます。位置情報を許可している場合、現在地周辺で発生した災害情報も追加で通知される仕組みです。
位置情報をONにすると、外出先や旅行先での突発的な災害にも対応できます。一方、位置情報をOFFにした場合は設定地域の情報のみが配信されるため、電池消費を抑えられる利点があります。
通知の優先度と表示方法
緊急度の高い情報は、通知音やバイブレーションによって即座に知らせられます。特に緊急地震速報や特別警報などの最重要情報は、スマートフォンの画面がロックされていても表示される仕様です。速報配信の到達速度が速く、情報を受け取ってから数秒から数十秒以内に避難行動を開始できる設計になっています。
災害種別で見る通知の詳細|地震・豪雨・津波それぞれの受信内容
地震関連通知
緊急地震速報の配信条件
緊急地震速報は、地震の揺れが到達する前に配信される最も緊急性の高い通知です。気象庁が地震を検知した直後、最大震度5弱以上が予測される地域に対して自動配信されます。通知には予測される震度、震源地の位置、推定マグニチュードが含まれます。
実際の揺れまでの時間差は震源からの距離によって異なります。震源が近い場合は数秒、遠い場合は数十秒の猶予があり、この間に机の下に隠れる、火を消すなどの初動対応が可能です。
震度速報との違い
震度速報は地震発生後に配信される情報です。NHK ONEでは震度3以上、震度4以上、震度5以上といったレベルごとに通知設定をカスタマイズできます。緊急地震速報が「これから揺れる」という予測情報であるのに対し、震度速報は「実際に観測された揺れ」の確定情報という違いがあります。
通知には震源地の詳細な位置、マグニチュード、各地で観測された震度が地域ごとに表示されます。家族や知人の安否確認、二次災害への警戒判断に役立つ情報です。
気象警報・特別警報
警報レベルごとの通知条件
気象注意報と気象警報の両方に対応していますが、通知設定で必要な情報だけを選択できます。注意報は比較的軽微な気象現象を対象としており、通知をOFFにすることも可能です。警報は重大な災害が発生する恐れがある場合に発表され、大雨・洪水・暴風・大雪などの種類があります。
特別警報は数十年に一度の重大な災害が予想される場合にのみ発表される最高レベルの警戒情報です。この通知は優先度が最も高く設定されており、確実にユーザーへ届く仕様になっています。
台風速報の配信
台風接近時には、進路予測や勢力に関する情報が随時更新されます。登録した地域への影響が予測される場合、事前に通知が届くため、早めの備えや避難準備が可能です。
避難情報
市区町村発表の避難情報
災害発生の危険性が高まった際、市区町村から発令される避難情報もリアルタイムで通知されます。避難指示や緊急安全確保といった情報が対象です。これらの情報は生命に直結する重要度が高いため、通知をOFFにすることは推奨されません。
通知には対象となる地域の範囲と避難の緊急度が明示されます。自治体や気象庁と連携したデータに基づいて配信されるため、信頼性の高い判断材料となります。
津波・河川氾濫・土砂災害情報
津波警報・注意報
地震発生後、津波の危険性がある場合に配信されます。津波警報は高さ3メートルを超える津波が予想される場合、津波注意報は1メートル程度の津波が予想される場合に発表されます。沿岸部や河川の河口付近に設定地域がある場合、確実に受信できるよう設定することが重要です。
河川氾濫危険情報
河川の水位上昇状況がリアルタイムで監視され、氾濫の危険性が高まった場合に通知されます。住んでいる地域を流れる河川ごとに的確な情報が配信されるため、台風や大雨時の早期避難判断に活用できます。
土砂災害危険度情報
地形や降雨量から土砂崩れのリスクが計算され、危険度が一定基準を超えた際に通知されます。山間部や斜面に近い地域では特に重要な情報です。通知を受け取ったら、気象庁や自治体が提供する土砂災害警戒情報マップで詳細を確認することが推奨されます。
自分に必要な通知だけ受け取る|詳細設定のステップ
地域設定の方法
設定地域の登録手順
- アプリを起動し、画面下部または右上のメニューアイコンをタップ
- 「地域設定」を選択
- 都道府県、市区町村を順に選択して登録
複数地点の登録が可能であり、自宅と勤務先、実家など生活圏内の重要な場所を設定できます。地域ごとに通知をON・OFFする設定も可能です。
活用例
平日は職場周辺の情報を重視し、週末は自宅周辺の情報を優先するといった使い分けができます。高齢の親が住む実家の地域を登録しておけば、遠隔地での災害発生時にも迅速な連絡や支援が可能です。
通知種別のON/OFF設定
設定画面へのアクセス方法
- メニューから「通知設定」を選択
- 地震情報、天気予報、台風速報などの項目が一覧表示される
- 各項目のトグルスイッチでON・OFFを切り替え
カスタマイズ例
ニュース速報は不要だが防災情報は全て受け取りたい場合、ニュース速報の通知のみをOFFに設定します。地震速報については震度4以上だけを受信対象にすることで、震度3程度の比較的軽微な地震による通知を避けられます。
避難情報や土砂災害、河川氾濫情報は生命に関わるため、基本的に全てONにしておくことが推奨されます。
位置情報の利用設定
設定オプションと影響
位置情報の許可設定には「常に許可」「使用中のみ」「許可しない」の3つの選択肢があります。
- 常に許可:バックグラウンドでも現在地を追跡し、外出先での災害情報を受信。電池消費がやや大きい
- 使用中のみ:アプリを開いている間だけ位置情報を利用。電池消費を抑えられる
- 許可しない:設定地域の情報のみ受信。電池消費が最小
旅行や出張が多い方は「常に許可」を選ぶことで、見知らぬ土地での災害にも対応できます。日常生活の範囲が限定的な方は「使用中のみ」でも十分です。
通知音・バイブ設定
スマートフォン本体設定との連携
通知音やバイブレーションの設定は、スマートフォン本体の通知設定と連動します。iOSの場合は「設定」→「通知」→「NHK ONE」から、Androidの場合は「設定」→「アプリと通知」→「NHK ONE」から調整可能です。
緊急度の高い情報(緊急地震速報や特別警報など)は、端末の音量設定に関わらず最大音量で通知される仕様です。就寝中でも確実に気づけるよう設計されています。
通知を「受け取る」だけで終わらせない活用法
通知後の追加情報確認
通知をタップするとアプリ内の詳細ページへ直接遷移します。ここでは発表元の詳細情報、地図上での影響範囲、今後の見通しなどが確認できます。特に気象警報や避難情報では、具体的にどの地域が対象なのか、どの避難所が開設されているかといった行動に直結する情報が掲載されています。
雨雲データマップを確認することで、1時間前から6時間後までの雨雲の動きが視覚的に把握できます。台風接近時や集中豪雨時には、この機能を活用して避難タイミングを判断することが有効です。
家族間での情報共有
家族全員が同じアプリをインストールし、同一地域を設定しておくことで、災害時の情報共有が円滑になります。離れて暮らす家族の安否確認にも役立ちます。特に高齢者や子どもがいる世帯では、保護者が事前に通知設定を整えておくことが重要です。
誤報・空振りへの心構え
防災情報は予測に基づくものであり、結果的に被害が発生しないこともあります。これは気象現象の不確実性や、避難行動によって被害が回避された結果です。通知が来たことを「無駄だった」と感じるのではなく、「備えができた」と捉えることが防災意識の維持につながります。
定期的な設定見直しの推奨
引っ越しや職場の変更があった際は、設定地域を速やかに更新しましょう。季節の変わり目には、地域特有の災害リスク(梅雨の大雨、台風、冬の大雪など)に応じて通知設定を見直すことも有効です。
オフライン時の挙動
通知はインターネット接続が必要です。電波が届かない場所や機内モード時には通知を受信できません。ただし、再接続後に重要な情報が遡って表示される仕様ではないため、災害発生が予想される状況では常時オンライン状態を維持することが推奨されます。
以前の「NHKニュース・防災」アプリからどう変わった?
従来の「NHKニュース・防災アプリ」は、2025年9月30日をもってサービスを終了しました。後継となる「NHK ONE ニュース・防災」は同年10月1日から提供開始され、移行期間は設けられていません。
主な変更点
- ユーザーインターフェースの刷新:ニュースと防災情報の切り替えがよりスムーズに
- ニュース機能の強化:テレビニュースの同時配信機能が追加
- ライブ配信機能の追加:災害現場からのリアルタイム映像視聴が可能に
- 地域ニュース機能の拡充:地域の放送局のニュースや解説コンテンツが充実
通知機能の基本的な仕組みは継承されており、地震速報や気象警報の配信方法に大きな変更はありません。旧アプリで設定していた地域情報や通知設定は引き継がれないため、新アプリで再設定が必要です。
他の防災アプリとNHK ONEの違い
主要競合アプリとの比較
| 項目 | NHK ONE | Yahoo!防災速報 | 特務機関NERV |
|---|---|---|---|
| 提供元 | NHK(公共放送) | ヤフー | ゲヒルン |
| 料金 | 完全無料 | 完全無料 | 完全無料 |
| 広告表示 | なし | あり | なし |
| 地震速報 | ○ | ○ | ○ |
| 気象警報 | ○ | ○ | ○ |
| ニュース機能 | ○(統合型) | △(別アプリ) | × |
| 避難所情報 | ○ | ○ | △ |
NHK ONEの強み
公共放送による信頼性
NHKは災害報道において長年の実績があり、情報の正確性と中立性が担保されています。広告収入に依存しないため、商業的な影響を受けずに運営されている点も特徴です。
広告なし・完全無料
アプリ内に広告が一切表示されないため、緊急時の情報確認がスムーズです。有料プランへの誘導もなく、全ての機能を無料で利用できます。
ニュースとの一体化
防災情報だけでなく日常的なニュース閲覧にも対応しているため、アプリを開く習慣が自然と身につきます。これにより、いざという時に使い方がわからないという事態を避けられます。
他アプリとの併用推奨
情報源を多重化することで、より確実に災害情報を入手できます。NHK ONEを基本として、Yahoo!防災速報や特務機関NERVなど異なる情報源を持つアプリを併用することで、一方の配信が遅れた場合でももう一方から情報を得られる安心感があります。
まとめ|NHK ONEで「もしも」に備えよう
本記事では、NHK ONE ニュース・防災アプリの通知機能について詳しく解説しました。要点をまとめます。
- 24時間365日のリアルタイム配信:地震・津波・気象警報などを即座に通知
- 災害種別ごとの詳細設定:震度レベル、警報種類、地域ごとにカスタマイズ可能
- 複数地域の登録対応:自宅・職場・実家など生活圏全体をカバー
- 完全無料・広告なし:NHKの公共性により信頼性の高い情報を提供
通知が来てから慌てるのではなく、事前の設定と日常的な活用が命を守る第一歩です。家族全員でアプリを共有し、いざという時に備えましょう。